Web開発(Web Development) = WebサイトやWebアプリケーションを企画・設計・実装・運用するための総合的な技術・方法論。フロントエンドとバックエンドを含み、HTML/CSS/JavaScript、フレームワーク、サーバ管理、データベース設計、セキュリティ対策などが含まれる。
HTML/CSSとフロントエンド基礎
Web開発の出発点として、HTML(HyperText Markup Language)とCSS(Cascading Style Sheets)はWebページの構造とスタイルを定義する役割を担う。HTMLは見出し、段落、リンク、画像などの要素をマークアップし、CSSはそれらの要素に色、サイズ、レイアウトを適用する。これにより、視覚的に整ったWebページが形成される。加えて、レスポンシブデザインやアクセシビリティ(アクセシブルなUI設計)もフロントエンドの基礎技術として重要である。これらの基本は後続のJavaScriptやフレームワークの導入にも直結しており、Web UI構築の土台をなす。
関連語 | 分類・用途 | 意味・機能・文脈 |
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HTML | マークアップ | Webページの構造を記述する言語 |
CSS | スタイリング | HTML要素の視覚表現を整えるスタイル記述言語 |
セマンティックHTML | アクセシビリティ | 意味を持つタグで構造化し、検索・支援技術に優れる |
フロート | レイアウト制御 | 要素の回り込み配置を可能にするCSSプロパティ |
Flexbox | レイアウト制御 | 柔軟なボックス配置を行うCSSレイアウトモデル |
Grid Layout | レイアウト制御 | 2次元の配置を管理する高度なCSS機能 |
メディアクエリ | レスポンシブ対応 | 画面サイズに応じたスタイル切替を可能にする記法 |
ブレークポイント | レスポンシブ設計 | レイアウト切替のための閾値(幅)設定 |
ユニット(em/rem) | スタイリング | 相対単位による柔軟なサイズ調整を可能にする単位 |
カスケード | CSSの仕様 | 優先順位に基づいたスタイルの競合解決ルール |
セレクタ | スタイリング | 特定要素にスタイルを適用するためのCSS記述子 |
ボックスモデル | レイアウト構造 | 要素の寸法計算(margin/padding/border)枠組み |
JavaScriptと動的UIの実装
JavaScriptはWeb開発におけるフロントエンド動作の中心的役割を担うプログラミング言語であり、ユーザーインタラクションや非同期通信、DOM(Document Object Model)の操作などを実現する。基本文法やイベント処理に加え、モダンな機能であるES6以降の構文(アロー関数、クラス構文など)も不可欠である。これによりWebアプリケーションは静的ページから動的・インタラクティブな体験へと進化する。さらに、API(Application Programming Interface)連携や状態管理、アニメーション制御など、UI/UX向上の多様な手段も含まれる。
関連語 | 分類・用途 | 意味・機能・文脈 |
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JavaScript | フロントエンド | ブラウザで動作する動的スクリプト言語 |
DOM | 操作対象 | HTML構造をツリー形式で扱うモデル |
イベントリスナ | UI制御 | ユーザー操作に応じて処理を実行する仕組み |
アロー関数 | 構文簡略化 | 簡潔な関数記述法(ES6機能) |
クラス構文 | オブジェクト指向 | JavaScriptでの構造的コード定義方法 |
fetch | 非同期通信 | 外部APIと通信するための組込関数 |
Promise | 非同期制御 | 処理完了の待機と連鎖を可能にする構造 |
async/await | 非同期制御 | 非同期処理を同期的に記述する文法構造 |
スプレッド構文 | 配列・オブジェクト操作 | 配列やオブジェクトの展開を簡潔に記述 |
JSON | データ形式 | 軽量なデータ交換フォーマット(JavaScript Object Notation) |
setTimeout | 時間制御 | 一定時間後に処理を実行する関数 |
イベントバブリング | DOM伝播 | 内外の要素間でイベントが連鎖する現象 |
バックエンド構造とサーバ処理
バックエンドは、ユーザーインターフェースの背後で動作する処理層を指し、リクエスト処理、データベースとの連携、認証・認可、API提供などを担う。代表的なバックエンド言語にはNode.js(JavaScript実行環境)、Python、PHP、Rubyなどがあり、これらはサーバ側ロジックを実装するために使用される。さらに、Webサーバ(例:Apache、Nginx)、アプリケーションサーバ、REST(Representational State Transfer)やGraphQLといった通信形式、リクエスト/レスポンス処理、セッション管理など、Webの中核となる技術群がここに集約される。
関連語 | 分類・用途 | 意味・機能・文脈 |
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Node.js | サーバ処理 | JavaScriptによるサーバサイド実行環境 |
Express | フレームワーク | Node.js用の軽量Webアプリケーションフレームワーク |
HTTPリクエスト | 通信プロトコル | クライアントからサーバへのデータ要求 |
HTTPレスポンス | 通信プロトコル | サーバからクライアントへの応答データ |
API(Application Programming Interface) | データ連携 | サービス間の通信を行うためのインターフェース |
REST | API設計 | HTTPに基づくシンプルなAPI設計指針 |
GraphQL | API設計 | クエリベースで柔軟なデータ取得が可能なAPI形式 |
JSON Web Token | 認証・認可 | 認証情報を含むトークン形式での認可手段 |
セッション管理 | 認証処理 | ユーザー状態を保持し続ける仕組み |
ミドルウェア | 処理構造 | リクエスト処理の中継層として機能するコード群 |
ポート番号 | ネットワーク | アプリケーションへの通信窓口となる識別子 |
サーバログ | 運用管理 | リクエスト/エラーなどの履歴記録ファイル |
フレームワークと開発環境
Web開発における効率と保守性を高めるために、各種フレームワークと開発支援ツールが重要となる。フレームワークは再利用可能な構造や設計パターンを提供し、開発者は冗長なコードを書くことなく高度なアプリケーションを構築できる。フロントエンドではReact、Vue.js、Angularなどが広く用いられ、バックエンドではExpress、Django、Laravelなどが代表的である。加えて、開発環境ではNode Package Manager(npm)やWebpack、Babel、Lintツールなどが、依存管理やコード変換、品質維持に用いられる。これらの要素は開発工程のスピードと品質を両立させる基盤となる。
関連語 | 分類・用途 | 意味・機能・文脈 |
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React | フロントフレームワーク | コンポーネントベースのUI構築を可能にするJavaScriptライブラリ |
Vue.js | フロントフレームワーク | 軽量かつ柔軟な構成を持つMVVMベースのフレームワーク |
Angular | フロントフレームワーク | 型安全とDI(依存性注入)を備えるGoogle開発のフレームワーク |
Express | バックエンドフレームワーク | Node.js用のシンプルなWebサーバ構築フレームワーク |
Django | バックエンドフレームワーク | Pythonベースの高機能なMVC(Model-View-Controller)フレームワーク |
Laravel | バックエンドフレームワーク | PHPで書かれたモダンなWebアプリケーションフレームワーク |
npm(Node Package Manager) | パッケージ管理 | JavaScriptモジュールの管理・配布・依存関係解決を行うツール |
Webpack | ビルドツール | モジュールバンドラーとしてJS/CSS等を一括管理し出力 |
Babel | トランスパイラ | ES6以降のコードを後方互換性ある形に変換 |
ESLint | 静的解析 | JavaScriptの構文・スタイル違反を検出し修正支援 |
Prettier | フォーマッター | ソースコードの整形と自動スタイル統一を行うツール |
Git | バージョン管理 | コード変更履歴の管理とチーム協働を可能にするシステム |
デプロイ・保守・セキュリティ
Webアプリケーションをユーザーに提供するには、デプロイ(配信)、継続的な保守、そしてセキュリティ対策が不可欠である。デプロイは開発環境から本番サーバへの配置を意味し、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)ツールやクラウドサービス(例:Vercel, Netlify, AWS)を通じて行われる。保守ではログ監視、パフォーマンスチューニング、障害対応が中心となる。セキュリティ面ではXSS(クロスサイトスクリプティング)、CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)、SQLインジェクション対策が求められ、HTTPS、CSP(Content Security Policy)、WAF(Web Application Firewall)などの導入が重要視される。
関連語 | 分類・用途 | 意味・機能・文脈 |
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デプロイ | 配信作業 | 開発したアプリを本番環境に公開する工程 |
CI/CD | 自動化運用 | 開発・テスト・本番反映を継続的に実施する運用モデル |
Vercel | ホスティング | フロントエンド向け高速デプロイサービス |
Netlify | ホスティング | 静的WebサイトやJamstackアプリの自動配信サービス |
AWS(Amazon Web Services) | クラウド基盤 | 世界的に広く使われるクラウドホスティングプラットフォーム |
HTTPS | 通信暗号化 | HTTP通信をTLSで保護し盗聴・改ざんを防止 |
XSS(クロスサイトスクリプティング) | セキュリティ脅威 | 悪意あるスクリプト挿入による情報窃取やUI破壊 |
CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ) | セキュリティ脅威 | ユーザー意図に反するリクエスト送信を誘導する攻撃 |
SQLインジェクション | セキュリティ脅威 | 不正なSQLを注入しデータベース操作を行う手法 |
CSP(Content Security Policy) | セキュリティ対策 | 外部スクリプト実行を制御するためのHTTPヘッダー設定 |
WAF(Web Application Firewall) | 防御装置 | Webアプリを対象にした攻撃を遮断するファイアウォール |
ログ監視 | 運用保守 | システム挙動やエラーを記録・分析する保守作業 |
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