GitHubとの接続:ローカルGitからオンライン共有までの完全ステップ
🎯 本記事の目的
この記事では、ローカルで管理しているGitプロジェクトをGitHubと接続し、
リモートへプッシュ(公開)する手順をわかりやすく解説します。
「自分の開発をネット上に保存・共有したい」
「別のPCや他人とコードをやりとりしたい」
そんな人にとって、GitHubは必須のツールです。本記事を読めば、あなたのローカル作業が、インターネット上の「共有できる履歴」となり、「バージョン管理の本当の力」を使い始めることができるでしょう。
🧠 前提:この記事を読む前にできていること
- Gitがインストール済みであること
git init
したローカルリポジトリがあること- 最低1つコミット済みの状態であること(例:
git commit -m "最初のコミット"
)
もしこれらの準備がまだでしたら、まずは以下の記事でGitの基本を学ぶことをお勧めします。
🔐 Step 0:GitHubアカウントの作成
まだ持っていない場合は、こちらから無料登録します:
”GitHub: 外部 ”世界最大のソースコード共有プラットフォーム。オープンソース開発、個人プロジェクト、チームのコラボレーションに最適なGitホスティングサービス。”世界最大のソースコード共有プラットフォームであるGitHubは、オープンソース開発、個人プロジェクト、チームのコラボレーションに最適なGitホスティングサービスです。登録が完了したら、忘れずにログインしておきましょう。
🗂 Step 1:新しいリポジトリをGitHub上で作成
GitHubのトップページ右上の「+」アイコンをクリックし、「New repository」を選択します。
以下の項目を入力してください。
- Repository name: 例:
git_test
(これはあなたのプロジェクト名になります。分かりやすい名前をつけましょう) - Description: 任意(リポジトリの簡単な説明を入力します。後からでも追加・編集可能です)
- Public/Private: お好みで選択してください。
- Public: 誰でもリポジトリの内容を閲覧できます。オープンソースプロジェクトなどに適しています。
- Private: あなたと、あなたがアクセスを許可したユーザーのみが閲覧できます。個人プロジェクトや企業のコードなどに適しています。
- 「Initialize this repository with:」 の項目で、「Add a README file」にはチェックを入れないでください。後ほどローカルからプッシュするため、ここでチェックを入れると履歴が競合しやすくなります。
全ての入力が終わったら、「Create repository」をクリックします。
リポジトリ作成後、画面に表示される一連のコマンド(...or push an existing repository from the command line
の下に表示されるもの)をコピーしておきましょう。これは次のステップで利用します。
🧷 Step 2:リモートリポジトリをローカルに登録
ローカルのGitリポジトリからGitHubのリポジトリへデータを送るためには、まずローカルリポジトリにGitHubのリモートリポジトリのURLを登録する必要があります。
以下のコマンドをローカルリポジトリのディレクトリで実行してください。
git remote add origin https://github.com/yourusername/git_test.git
origin
: これはリモートリポジトリに付ける「リモート名」です。慣習的にorigin
が使われますが、任意の名前を付けることもできます。https://github.com/yourusername/git_test.git
: これはあなたのGitHubリポジトリのURLです。yourusername
の部分はあなたのGitHubアカウント名に置き換えてください。git_test
の部分も、あなたがStep 1で作成したリポジトリ名に置き換えます。
登録が成功したか確認するには、git remote -v
コマンドを実行します。
Bash
git remote -v
# origin https://github.com/yourusername/git_test.git (fetch)
# origin https://github.com/yourusername/git_test.git (push)
上記のように表示されれば、正しくリモートリポジトリが登録されています。
🚀 Step 3:GitHubへ初回プッシュ
いよいよローカルのコードをGitHubにアップロードします。
git branch -M main # ブランチ名をmainに変更(初回のみ)
git push -u origin main # GitHubにプッシュ(-uで追跡設定も)
それぞれのコマンドについて詳しく見ていきましょう。
git branch -M main
このコマンドは、現在のローカルブランチの名前をmain
に変更します。近年、GitHubを含む多くのプラットフォームで、デフォルトブランチ名がmaster
からmain
に変更されています。もしあなたのローカルブランチ名が既にmain
であれば、このコマンドはスキップして構いません。master
ブランチから作業している場合は、このコマンドを実行することで、GitHubのデフォルトと同期させることができます。git push -u origin main
このコマンドで、ローカルリポジトリのmain
ブランチの内容を、origin
と名付けたリモートリポジトリ(つまりGitHub)のmain
ブランチにプッシュ(アップロード)します。-u
(または--set-upstream
) オプション: これは非常に重要です。このオプションを付けることで、ローカルのmain
ブランチがリモートのmain
ブランチを「追跡(track)」するよう設定されます。一度設定すれば、次回以降は単にgit push
と入力するだけで、origin main
へプッシュできるようになります。
プッシュが成功すると、GitHubのリポジトリページにアクセスすると、ローカルの内容が反映されているのが確認できるはずです!
🔑 Step 4:認証について(初回だけ)
git push
コマンドを実行した際に、認証を求められることがあります。GitHubではセキュリティ強化のため、2021年以降、HTTPS経由でのプッシュにユーザー名とパスワードの組み合わせではなく、より安全な認証方法を要求しています。
主に以下の2つの方法が推奨されます。
方法1:GitHub CLI または VS Code連携を使用する
最も簡単で推奨される方法です。
- GitHub CLI (Command Line Interface): GitHubが提供する公式CLIツールをインストールし、
gh auth login
コマンドを実行することで、ブラウザを通じて簡単に認証を設定できます。一度設定すれば、以降の操作はスムーズになります。 - VS Code連携: Visual Studio Codeを使用している場合、Git操作を行う際にVS CodeがGitHubアカウントとの連携を促すことがあります。指示に従って認証することで、VS Code内からのプッシュがスムーズに行えるようになります。
- GitHub Desktop: GitHub公式のデスクトップクライアントを使用している場合も、初回ログイン時に自動的に認証が設定されます。
方法2:パーソナルアクセストークン(PAT)を使用する
PATは、GitHub APIへのアクセスを許可する「トークン(APIキーのようなもの)」です。これをパスワードの代わりに使用します。
パーソナルアクセストークンの作成手順:
- GitHubにログインし、右上にあるプロフィール画像をクリックし、「Settings」を選択します。
- 左側のサイドバーで一番下の方にある「Developer settings」をクリックします。
- さらに左側のサイドバーで「Personal access tokens」を展開し、「Tokens (classic)」を選択します。
- 「Generate new token」をクリックし、「Generate new token (classic)」を選択します。
- Note: トークンの識別しやすい名前(例:
my_dev_token
)を入力します。 - Expiration: トークンの有効期限を設定します。セキュリティのため、必要最小限の期間を設定するか、「No expiration」は避けることをお勧めします。
- Scope: トークンに与える権限を設定します。ここではGit操作のために「repo」にチェックを入れれば十分です。
- 全ての項目を設定したら、ページ下部の「Generate token」をクリックします。
- 生成されたトークン(英数字の長い文字列)が表示されます。このトークンは一度しか表示されませんので、必ずコピーして安全な場所に保存してください! これがあなたの「パスワード」代わりになります。
git push
を実行した際にパスワードを求められたら、この生成されたトークンを入力します。
📌 よくあるエラーと対策
エラー内容 | 原因 | 解決策 |
fatal: remote origin already exists. |
origin という名前のリモートが既に登録済みです。 |
git remote remove origin で一度削除してから、再度 git remote add origin ... コマンドを実行してください。 |
Permission denied |
認証情報が間違っています。 | git push を再度実行し、正しいGitHubアカウントの**パーソナルアクセストークン(PAT)**を入力し直してください。または、GitHub CLIやVS Code連携で認証し直すことを検討してください。SSH接続に切り替えるのも有効です。 |
failed to push some refs to... |
ローカルとリモートのブランチ履歴が競合しています。 | リモートの変更をローカルに取り込み、履歴を整理する必要があります。まずは git pull --rebase origin main を実行し、リモートの変更をローカルのコミットの前に適用してから、再度 git push を試してください。 |
error: src refspec main does not match any |
プッシュしようとしているブランチが存在しない、または名前が間違っています。 | git branch コマンドで現在のローカルブランチ名を確認し、正しいブランチ名を指定してプッシュしてください。多くの場合、master と main の違いが原因です。 |
💬 まとめ
ステップ | 内容 |
Step 0 | GitHubアカウント作成 |
Step 1 | GitHub上でリポジトリ作成 |
Step 2 | git remote add origin でリモート登録 |
Step 3 | git push -u origin main で公開 |
Step 4 | 認証方法の設定(PATまたはGUI連携) |
あなたのローカル作業が、ついにインターネット上の「共有できる履歴」になりました。これで「バージョン管理の本当の力」を使い始めたことになります!
🧪 次に学ぶべきこと
GitとGitHubをさらに活用するためのステップはたくさんあります。以下のトピックを学ぶことで、より効率的で安全な開発が可能になります。
.gitignore
で不要ファイルを除外する方法: ビルド生成物や個人情報など、Gitの管理から除外したいファイルを指定できます。- 複数ブランチでの開発: 新機能の開発やバグ修正を独立したブランチで行い、メインのコードベースに影響を与えずに作業を進める方法。
git clone
で他人のリポジトリをコピー: 既存のGitHubリポジトリを自分のローカル環境にダウンロードする方法。オープンソースプロジェクトへの参加や、チームでの共同開発の第一歩です。- GitHubでのPull Request (プルリクエスト) 体験: チーム開発において、自分の変更をメインブランチに取り込んでもらうための提案・レビュープロセスについて。